2020年の正月デボルム

昨日は陰暦1月15日、正月デボルムでした。それぞれ持ち寄ったお弁当の主食は五穀を加えたもち米のおこわ、そして数々のナムルが並びました。この正月デボルムは陰暦で祝いますので、先にあげた陽暦でほぼ2月4日となる立春と概ね近い日となります。

この日は부럼깨기プロムケギといい、一年の皮膚病を予防し歯を鍛錬するとして生栗、クルミ、銀杏、松の実などの堅果類をバリバリと食べる習わしがあります。本来は小正月の早朝に行うものですが、我が家では夕食後の時間にプロムケギとしてナッツ類を頂きました。この時期は学生は冬休みや春休みですので、どの家も同じだろうとは思いますが、午前中というものは非常に静かな時間になってしまうものです。

韓国では節気ごとに多くの行事を行いますが、その大半は正月に集中しています。その中でも非常に重要なのがこの小正月の行事なのですが、今年は新型コロナの影響で、本当に象徴的にだけ行われました。

例年では村の大通りを仮面舞の役者や楽士が練り歩き地神踏みをし、食べ物をふるまわれて一年で最も印象深い一日となるところが、この一連の行事の最後のお焚き上げだけ簡単にして終了となりました。このブログのフロントページは4年前の地神踏みの行事の時に撮ったものです。

河回村だけでなく韓国の各地で例年の様々の行事が中止となり、今年の韓国は何となく民俗的な活気を発揮できず春を迎えようとしている感覚です。例えるなら、最初の第一歩から足がもつれてふらふらとスタートしたかのような印象を拭えませんでした。

とはいうものの、これは民俗的な村に勤務している立場にあって感じるもので、都市での普遍的な日常の中では特に変化もなく、ただいつものそう変わらぬ一日を過ごしたに過ぎないのでしょうけれど。こうやって東洋はどんどん西洋化が進んでいくのだなあとしみじみするものです。

我が家の場合は分家の法事が小正月と重なっていますので、毎年この日の夜は分家で法事を行います。本来は「子」時、つまり夜11時から午前1時の間に法事を行うものですが、農耕時代と異なり出勤登校の関係で早い時間に法事を行うのが常となってきました。そこで夜10時に2軒先にある分家に向かったのですが、真っ暗闇の道を歩いてもそう寒くはありませんでした。

2分もかからない距離にある分家に向かいながら左上方にかかった月を眺めました。乱視の影響で滲んで見えるその姿が完全な円であるのだろうなあと想像しつつ、ビリーという名の黒毛の子犬とそれほど寒くない夜道を、春の夜のような緩んだ空気の匂いを嗅いで歩を進めました。分家の家の前で黒犬には家に帰ってもらっていつも通りの法事をし、1時間ほどで帰宅しました。法事卓に並んだ生栗を、プロムケギしなくちゃ、とつぶやいてバリバリ食して。

今日の河回村は普段と変わりなく観光客の方々が訪れられています。マスクをつけている方は全体の三分の一くらいでしょうか、この田舎では意外とマスクをつけない方も多いものです。

本格的な春ももう近いようです。庭のチューリップもあちこちから小さな芽が吹きだしてきました。梅の木などはもう蕾がだいぶ膨らんできましたし、レンギョウの山吹色を帯びた黄色い花を目にするのもそう遠くないようです。

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